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第7回目は「受験アドバイス その3 面接試験のポイント・作文試験のポイント」です。

 

面接試験のポイント

入試における面接試験の評価ポイントは、一般的に次のようにまとめることができます。

《 身だしなみ 》
外見だけで人を判断するべきではありませんが、外見がその人の第一印象を決める重要ポイントであることも事実です。日本の文化、習慣=常識として、公の場に出る際の服装や頭髪などについては、その場にふさわしい身だしなみを心がけましょう。それが相手に対する敬意を示すことにもなるのです。

《 面接官はここを確認する …… 生徒 》
(1) 学力検査や調査書では測れない受験生の人格や性格、意欲などを見る。
(2) 事前に提出した調査書の書類などにある疑問点を解消する。
(3) 受験生の入学する意志を直接確認する。
(4) 受験生が校風になじめるか、校則を守れるかなどを確認する。

《 面接官はここを確認する …… 保護者 》
(1) 家庭環境や親子関係から、受験生の人格や性格への影響をみる。
(2) 保護者の校風や教育方針の理解度から、受験生の学校に対する適合性をみる。

保護者同伴の面接において保護者が気をつけるべきポイントとしてはいくつかありますが、最も気をつけるべき点は、面接官が受験生に対して質問したことに、助け舟のつもりで横から答えてしまわないようにするという点です。また、基本的に、保護者も返答は簡潔にするとともに、家庭円満で受験生が明るくのびのびと成長している印象を与えることが第一です。なお、入学に際しては、保護者が学校の教育方針についてきちんと理解しており、それについて基本的な同意があることが前提となっています。このことに抵触するような発言は、もちろん控えるべきでしょう。

★★ 面接対策とは…? ★★

「面接は苦手」という受験生は多いようです。また、面接練習ということで、予想される質問に対しての答えをあらかじめ暗記してくる受験生もいますが、一般的にこれはあまり良い対策とは言えません。もちろん、ある程度の準備は必要ですし、想定問答の準備、練習自体が全く無意味だというわけではありません。ただ、答えを暗記する必要はないということです。面接官は毎年、何十人、何百人と生徒面接を経験している先生です。質問に対する答えを聞けば、それが暗記してきたものかどうかはすぐにわかります。そのようなとき、面接官は、受験生の本当の姿を知るために、志望動機や海外生活とは関係のない、全く予想もしていないようなことを質問したり、ひとつのテーマに絞り込んで、そのことについてどんどん掘り下げて質問してきたりします。ですから、いくら事前に答えを準備してみてもすべてについて準備しきれるものでもないのです。大事なのは、答えを用意して暗記することではなく、これまでの海外生活での豊かな経験や体験を踏まえて自分なりの考えや意見をしっかり言えるようにしておくことです。そのためには、これまでの海外での生活を親子で振り返るような機会を設けて、しっかり確認することをお勧めします。また、残された海外生活をさらに前向きに、そして充実させていくことがとても大事です。

 

作文試験のポイント

入試における作文の評価試験ポイントは、一般的に次のようにまとめることができます。

《 文章表現分野 》
(1) 原稿用紙の使い方:句読点・記号・符号が適切か、字数制限が守られているかなど。
(2) 文字の書き方:仮名づかい・送りがな・漢字等が正確か、文字が読みやすく丁寧かなど。
(3) 語句の使い方:主述の呼応や修飾語と被修飾語の関係が適切か、文体の統一など。

《 文章構成分野 》
(1) 取材の仕方:課題に合っているか、材料・資料が適切に取り上げられているかなど。
(2) 構成の仕方:段落区分・段落の順序・展開は適切か、書き出し・結びの工夫など。
(3) 論旨のまとめ方:筋道の明確さ、主題がまとまっているか、説得力があるかなど。

作文を課すということは、受験生の何を見ようとしているのでしょうか。もちろん基本的に上記のようなことは前提として評価対象になるでしょう。しかし、当然その内容がその高校に入学する生徒としてふさわしいものかどうかという視点で作文を評価していることは間違いないでしょう。そういう意味で、内容的には次の2点を絶対に守るべき事項として念頭に入れておきましょう。

    ① 課題に対して、前向きかつ建設的な姿勢で意見や考えを述べること
    ② 海外での経験や体験から得たものを中学生活に積極的に生かしていこうとする姿勢で書くこと

この2点は、しっかりと頭に入れて作文を書いていく必要があります。どんなにきれいな字で誤字脱字がなく、文法的な誤りもなく、段落構成がしっかりしていようと、この2点をはずしている作文は不可です。また、内容に深みのない作文も評価は低くなってしまいます。内容の深みというのは、常識的、表面的で、自分の本当の考えではない内容のことを指します。
たとえば「戦争をなくすには」という課題があるとします。自分の頭で何も考えていない人は、大体「暴力や命を奪うという行為はいけないので話し合いで解決すべきだ」という結論を繰り返し述べることになります。しかし、それはあまりにも当たり前で、つまり「常識的」で、「道徳的」で、「表面的」な内容の作文であるといわざるを得ません。深みを出すためには、そこに自分の経験を踏まえ、実際に生きている人間の感情というものを深く考えた上で作文を書いていかなくてはなりません。その結果として、先と同様な結論「話し合いで解決すべきだ」というものであったとしたら、その作文は先の作文とは全く異なる深みのある作文だということができるでしょう。
この例で伝えたいのは、作文においては、正解=正しいことを述べる必要はないということです。もちろん、「戦争は仕方がないのでどんどんやるべきだ」などという結論は論外ですし、「いくら防ごうとしても防ぎようがない」という結論も、先の「前向き」「建設的」という基本に照らしてみると、その評価は好ましいものとはならないでしょう。大切なのは、自分の具体的な経験を踏まえて自らがその問題を前向きに考えるという姿勢で書くということです。作文は単純な「正解」を求めているわけではなく、「あなた」の個性的で前向きな考えや意見を求めているのです。

 
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