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第5回目は「受験アドバイス その1 学校選びのポイント」です。

 

学校選びのポイント

日本とは環境も言葉も異なる海外生活を過ごしてきた帰国生にとって、日本(の学校生活)に慣れるというハードルを越えなければならないため、特に学校選びには細心の注意を払う必要があります。その際にポイントとなることを挙げておきます。

 

【学校情報を集める】

(1)学校の資料を入手する

通学可能圏内にある学校を調べるには、各出版社が出している受験情報誌を参考にしてください。所在地やアクセス方法、設置クラスやコース、教育方針、大学進学実績などの概略はこれでつかめます。
しかし、この情報だけでは他校との違いが詳細な部分まではわかりません。その学校が作成した案内書や校内の情報誌などを入手すると詳細なカリキュラムや生徒および卒業生からの生の声が聞こえてきます。

Q&A

Q:説明会に参加すると入試で有利ですか

A:説明会に出席する際、受付で受験生の氏名などを記入する場合があり、その後入試までの期間に、学校から最新の入試情報や文化祭の招待状などの「受験生へのメッセージ」が届くことがあります。そのことで本人の受験に対する気持ちが高まるという点ではメリットがあるかもしれません。しかしながら、合否はあくまでもその学校の合否基準に照らし、提出書類や入試での得点、作文・面接の結果を総合的に判断して決定されますから、説明会への参加が合否に対しての有利不利に関わることは全くありません。

(2)学校説明会に参加する

各学校では、生徒やその保護者のための学校説明会や入試説明会を開いています。帰国生対象の説明会も多くなりました。また、国内一般生対象の説明会でも終了後に個別相談などがありますので、積極的に参加して情報を収集するようにしてください。
説明会の実施スケジュールは、ホームページなどで告知していますので確認してください。受験校を決定する上で、一時帰国などを利用して、本人を連れて学校訪問をするのはとても大切なことです。説明会の参加が不可能な場合は、入試前に早めに帰国をして、願書を提出する際に一度訪問するのも一つの方法です。
小学6年次は何かと都合がつかないケースもありますので、小学5年次から学校訪問等のスケジュールを立てておくと余裕を持った学校選択が可能になります。
近年、東南アジアや欧米の大都市では、中学校の先生が現地に赴き、入試説明会を実施するケースが増えていますので、その機会も積極的に利用してください。

【情報を分析・検討する】

(1)校風を検討する

パンフレット内容、電話やメールの応対、来校者への対応、校舎の外観、生徒の雰囲気など、いろいろなところに校風は表れます。入試問題も中学校の特長が表れていますので、しっかり活用してください。一つの情報源だけではなかなか判断は困難ですから、こうした情報を各方面から十分に収集し、検討してください。最も大切なことは、生徒自身や保護者が見聞きし、肌で感じ取ることです。学校の校風は、中学生よりも高校生に顕著に表れますので、分析や検討は、中学校だけではなく、高校についてもしっかり検討してください。

(2)教育方針を検討する

各都道府県で若干差がありますが、公立の中学校は、文部科学省の指導に従いほぼ同一の教育が行われています(中高一貫校を除く)。一方、私立の中学校は、各学校独自の教育方針のもと、個性ある教育を行っています。学校の教育方針は、その学校の具体的行事やカリキュラムに反映されます。学習以外の奉仕活動や芸術活動などを通して人間教育面の活動に力を入れている学校もあります。これまでの学校選びでは、学習面に重きが置かれがちでしたが、学習以外のプラスアルファの部分にも注意を払いましょう。

(3)教育課程を検討する

進学校を選ぶ際には、その学校の進学状況を確かめることが学校選びの大事なポイントの一つです。また、教育課程(カリキュラム・シラバス)や使用教材(教科書・問題集)を他の学校とじっくり比較することも重要なことといえるでしょう。これは多くの場合、学校の発行する要項や案内書に掲載されています。前述したようにその学校の教育方針は、具体的に年間行事、教科時間数、単位表などに表れていますので注意して案内等を検討するようにしましょう。また、大学附属を選ぶ場合には、系列大学に希望の学部があるかどうかの確認も重要です。

(4)教育環境や教育施設を検討する

教育環境の一つとして、学校の立地条件があります。教育方針や進学実績が充実していても、最寄駅から学校周辺の環境が合わなければ、学校に通うこと自体が苦痛を伴うことがあります。単なる通学時間だけではなく、最寄駅から学校までの通学ルートの環境も確認しておきたい項目です。
伝統校の古い校舎には風情にも似た味がありますが、近年の新築校舎は、冷暖房は勿論のこと、ハイテク機器やセキュリティ設備が充実しているところが増えています。その他、図書館をはじめとした教育施設やスポーツ施設などの面で、目を見張る充実した設備を備えている学校もあります。帰国生にとっては、学習面以外の芸術やスポーツ活動の継続という点からも、こうした設備は学校選びの要素としておさえておきたい項目となります。なお、校舎を新築した学校は、入学金や授業料において増額や施設費の徴収など費用もそれなりにアップしてきますので、そういった点の確認も必要でしょう。

【学力・適性を分析・検討する】

前述した項目は、保護者がイニシアティブをとって客観的な分析が可能ですが、子どもの学力・適性の分析は、なかなか客観的に行えないことが多いようです。過大な期待もさることながら、過小評価も子どもたちの学習意欲を損なう原因となることがあるので厄介です。やはり、その子どもの学力・適性を把握している専門家のアドバイスをもとにしながら、親子で対話を重ねていくことが望ましいと言えるでしょう。
有名難関国私立大学の高合格率を掲げ、それらの大学の入試科目を中心とした授業カリキュラムを組んでいるような中・高6年一貫教育の学校では、帰国子女選考を経て入学した帰国生に対して補講を組み、丁寧に指導している学校もありますが、日本の教科学習に慣れていない帰国生は、その補講ですら苦しむケースも少なくありません。内部進学テストの結果、学力不足を理由に併設高校や大学の進学を断念しなければならないケースもあります。
外国での経験や習得した外国語などを大切に考えてくれる学校を選ぶのか、進度の速いカリキュラムを組んだ学校を選ぶのかは、今後の進路にも多大な影響を与えますので、子どもの経歴を踏まえた学力や適性の見極めは、非常に重要なポイントとなります。

 

★★ 学校選びのワンポイント ★★

学校選びは、ややもすると選ぶ順序を間違えてしまいがちです。帰国枠のある学校を第一優先事項にした学校選びはあまりお勧めできません。まずはご家庭の教育方針や本人の性格・適性に合わせて、本当に行きたい、行かせたいと思える学校を選ぶことです。帰国枠があるかどうかは、その次の確認項目にしておくべきでしょう。入学するまでは、どうしても「入りやすさ」が最重要項目に思えますが、もっとも肝心なのは「入学してから」の6年間、あるいは大学を含めた10年間の学校生活であるのは間違いありません。

 
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