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2024年度 海外・帰国生中学入試ガイダンス その3
第3回目は、「公立中高一貫校」をお送りします。
中高一貫教育の概要(文部科学省発表資料より)
(1)導入の趣旨
従来の中学校・高等学校の制度に加えて、生徒や保護者が6年間の一貫した教育課程や学習環境の下で学ぶ機会を選択できるようにすることにより、中等教育の一層の多様化を推進し、生徒一人一人の個性をより重視した教育の実現を目指すものとして、中央教育審議会第二次答申(平成9年6月)の提言を受けて、「学校教育法等の一部を改正する法律」が平成10年6月に成立し、平成11年4月より、中高一貫教育を選択的に導入することが可能となりました。
(2)中高一貫教育の実施形態
中高一貫教育については、生徒や保護者のニーズ等に応じて、設置者が適切に対応できるよう、次の3つの実施形態があります。
①中等教育学校:
一つの学校として、一体的に中高一貫教育を行うものです。
②併設型の中学校・高等学校:
高等学校入学者選抜を行わずに、同一の設置者による中学校と高等学校を接続するものです。
③連携型の中学校・高等学校:
市町村立中学校と都道府県立高等学校など、異なる設置者間でも実施可能な形態であり、中学校と高等学校が、教育課程の編成や教員・生徒間交流等の連携を深めるかたちで中高一貫教育を実施するものです。
(3)制度の概要
①中等教育学校:
ア) 中高一貫教育を実施することを目的とする新しい学校種として設けられたものであり、学校教育法において、その目的、目標、修業年限、前期課程と後期課程の区分等について規定しています。
イ)中等教育学校の教育課程については、前期課程は中学校の基準を、後期課程は高等学校の基準をそれぞれ準用するとともに、中高一貫教育校として特色ある教育課程を編成することができるよう教育課程の基準の特例を設けています。
ウ) 中等教育学校への入学については、設置者の定めるところにより校長がこれを許可することとし、この場合、公立の中等教育学校においては学力検査を行わないこととしています。
②併設型の中学校・高等学校:
ア) 学校教育法において、中等教育学校に準じて、同一の設置者が設置する中学校及び高等学校において中高一貫教育を行うことができることを規定しています。
イ) 併設型の中学校・高等学校の教育課程については、中学校の基準及び高等学校の基準をそれぞれ適用するとともに、中等教育学校と同様の教育課程の基準の特例を設けています。
ウ) 併設型中学校への入学については、設置者の定めるところにより、校長がこれを許可することとし、この場合、公立の併設型中学校においては、学力検査を行わないこととしています。また、併設型高等学校においては、当該高等学校に係る併設型中学校の生徒については入学者の選抜を行わないこととしています。
③連携型の中学校・高等学校:
ア) 学校教育法施行規則において、中学校及び高等学校においては、高等学校又は中学校における教育との一貫性に配慮した教育を施すため、当該学校の設置者が設置者間の協議に基づき定めるところ(設置者が同一の場合には設置者の定めるところ)により、教育課程を編成することができるとともに、当該中学校及び高等学校は、両者が連携してそれぞれの教育課程を実施することを規定しています。また、中高一貫教育として特色ある教育課程を編成することができるよう、教育課程の基準の特例を設けています。
イ) 連携型高等学校における入学者選抜は、設置者間の協議に基づき編成する教育課程に係る連携型中学校の生徒については、調査書及び学力検査の成績以外の資料により行うことができるとしています。
(4) 中高一貫教育校の設置推移
連携型・併設型・中等教育学校の総数の推移
2010年度 271校 2016年度 320校
2011年度 273校 2017年度 325校
2012年度 274校 2018年度 329校
2013年度 270校 2019年度 293校
2014年度 274校 2020年度 296校
2015年度 282校