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桐蔭学園中等教育学校/中学校

神奈川県横浜市中学受験編入

自ら考え判断し行動できる力を育成する

桐蔭学園中等教育学校 学校訪問レポート

海外経験と帰国後の学校選びについて

Question まず、ニューヨークで生活していたT.Yくんから、海外経験について教えてください。10才のときからでしたね。

T.Y はい、13才までニューヨークで生活しました。通っていたインターナショナルスクールは、アメリカ人の次に日本人が多い学校でしたのですぐに友達はできましたが、やはり英語には苦労しました。ようやく授業がわかるようになったのは1年半ぐらい経ってからだったと思います。夏休みを利用して3週間ほどのキャンプに参加したことは貴重な体験でした。大学の授業も受けられたのでとてもいい刺激になりました。

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Question 受験を意識し始めたのはいつごろでしょうか。

T.Y 小学6年生の夏ごろです。先程のキャンプに参加してその気持ちが強くなったのですが、もともと自分でも中学受験をしようと思っていました。帰国子女の受け入れ実績とサッカー部の環境を重視して学校を選び始めました。

Question 本格的に勉強を始めたのは?

T.Y 同じく小学6年生の夏休みからです。塾の模試を受けたことで「ヤバイ!」と思い真剣に取り組むようになりました。国語の偏差値がとても低かったので・・・。(笑)自宅から遠かったため塾には通えなかったので、家庭教師の先生に数学と国語を見ていただきました。主に問題集で勉強を進めて、出題の傾向を確かめるときに過去問を使いました。

Question 海外滞在中、勉強面で困ったことはありましたか?

T.Y 国語力の維持と向上ですね。中学を受験する友人がいなかったことも困ったことのひとつかも知れません。身近にライバルがいない環境だと、モチベーションがなかなか上がらなくて困りました。国語は小学6年の夏休みから記述問題を中心に解きまくりました。また、模擬試験を毎月自宅で受験して、偏差値の伸びや学習進度の度合いをチェックしながらモチベーションを落とさないように心掛けました。

Question 学校訪問や問い合わせはしましたか?

T.Y 学校訪問はしませんでしたが、問い合わせはしました。帰国生入試で合格したとき、入学できる権利がいつまであるかを確認するためです。インターを6月に卒業してから家族と一緒に帰国するか、入学式に合わせて4月に帰国するかを決めるためです。色々考えた末、4月に入学することにしました。

Question 受験の為に帰国したのはいつごろですか?

T.Y 試験の2日前です。受験のときは高熱が出てしまって困りました。アメリカでは一度も風邪をひいたことがなかったのですが、日本に帰った途端に風邪をひいてしまったようで、熱と戦いながら試験を受けました。

Question ズバリ、この学校に決めた理由は?

T.Y グラウンドが広いことです。(笑)実は、父も桐蔭の卒業生で学校の話はよく父から聞いていました。父が通っていたころは厳しいと評判だったそうなので少し心配していましたが、それよりも良い先生が多くいらっしゃるということも僕には決め手になりました。

Question 次にカリフォルニア州で生活していたR.Aさん、現地での様子を聞かせてください。

R.A 私が7才から9才まで過ごしたアメリカのカリフォルニア州は、日差しは強かったですが、気温はそれほど高くなくて過ごしやすかったという思い出があります。交通手段が車しかなかったのは不便に感じました。初めのころは英語が全くできなかったのでESLに入りましたが、そこでの授業にもついていけずに別の現地校に移りました。

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Question 海外滞在中、勉強面で困ったことはありましたか?

R.A  現地校と日本語補習校との両立には苦戦しました。現地校は「楽しく学ぶ」という感じでしたが、週2日通っていた日本語補習校では宿題も多くて大変でした。国語や算数を中心に多いときは2時間ぐらいかかる量の宿題が出ていました。そのため、スケジュール管理をしっかりするように心掛けました。計画表を作って、テレビをあまり見すぎないように注意していました。(笑)

Question 受験を意識し始めたのはいつ頃ですか?

R.A 小学6年生の秋ごろです。中学を受験する友達やそのお母さんたちからも「受験しないの?」と聞かれるようになって、自分でも挑戦してみようかなという気持ちになりました。

Question 受験する学校について、どのように決めましたか?何がポイントですか?

R.A 英語の能力を伸ばしてくれる学校かどうかです。外国人の先生がたくさんいるか、レベルにあった授業をしていただけるかということがポイントでした。

Question 学校訪問の際に気をつけたことや事前に準備したことはありましたか?

R.A 特に身だしなみには注意しました。特別に用意したものではありませんでしたが、きちんとしているかどうかを何回も確認しました。

Question 学校に問い合わせはしましたか?

R.A はい、2校に問い合わせをしました。英検2級を持っているのですが、そのことを受験のときに考慮してもらえるかどうかを質問しました。

Question 受験のときに、一番困ったことはなんですか?

R.A はじめは受験するつもりはなかったので、スタートが遅くなってしまい受験準備の期間が短くなってしまったことです。英語はある程度できていましたが、もっと算数に掛ける時間があればよかったと思っていました。

Question この学校に決めた理由を教えてください。

R.A タブレット端末を使ったアクティブラーニングなど、新しいことを取り入れていて、授業がとても楽しそうだったからです。

Question お待たせしました。Y.Hさんもカリフォルニア州でしたね。

Y.H 私は、1才から10才までロサンゼルスに住んでいました。通っていた現地校には1クラスに日本人が5人ぐらいいたので、2年生までは日本人の友だちとずっと日本語で会話していましたが、母からこのままだと英語が使えるようにならないよと言われて、現地の友達を作るようになりました。3才年上の姉も現地校に通っていて英語が上手だったので、姉からも良い影響を受けました。

Question 海外滞在中、勉強面で困ったことはありましたか?

Y.H 英単語ですね。読めるけど書けない・・・。フォニックスも苦手でした。母や姉に教えてもらいながら勉強しました。また、グラマー・リーディング・エッセイなどにも苦戦しました。

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Question どのように克服しましたか?

Y.H グラマーは、本をたくさん読んで分からない単語や文法内容を調べ、リーディングは、ひたすら問題を解いて先生に質問しながら力を付けました。ボキャブラリーも増やしていきました。エッセイは、毎日姉に見てもらいながら練習を続けました。

Question 受験を意識し始めたのはいつ頃ですか?

Y.H 小学5年生に進級したころからです。アメリカで仲の良かった友達が私より先に帰国して受験の準備を始めたことがきっかけでした。小さいころお世話になった方に、ご自身が通っている桐蔭学園を勧めていただきこの学校を意識し始めました。

Question 受験校を決めるときに、ご両親との間で意見の食い違いはありましたか?

Y.H ありました。公立中学校の方が私には向いていると父に言われていました。積極的な私の性格に合う学校だと思ったからだそうです。でも、私はどうしても桐蔭に入りたかったので、何度も両親と話し合いをして桐蔭に決めました。

Question この学校に決めた理由はなんですか?

Y.H 先輩方や先生方がやさしいと聞いていたことと、少林寺や弓道、ラクロスなど他の学校にはない珍しい部活がたくさんあったからです。

Question 学校訪問の際に気をつけたことは何でしたか?

Y.H 先輩方が不快な気持ちにならないように気をつけました。日本の小学校には上級生として入り先輩がいなかったこともあり、敬語がうまく話せなかったからです。

Question 受験勉強はどのように進めましたか?

Y.H まずは自分の実力で過去問に挑戦してみました。解けなかった問題も多くありましたが、その後で苦手な単元を集中的に勉強してからもう一度解いてみました。初めは英語だけで受験しようと準備をしていましたが、英語エッセイは何度も何度も書いて練習しました。途中から算数の勉強も始めましたが、思うように進まなくて今でも苦手です。(笑)

Question 面接や作文の対策はしましたか?

Y.H 面接の対策をしました。まず、予想される質問に対して自分なりに答えを用意しました。練習では姿勢や笑顔にも注意しながら、各学校の面接の形式に合わせて対策をしました。そのことは受験のときにとても役に立ちました。姿勢や笑顔だけで人の第一印象が変わり、「この人は礼儀正しい」と思っていただけるということがわかりました。

Question みなさん、入学前に心配だったことはありましたか?

T.Y 友達ができるかどうかでしたが、すぐに友達もできたので安心しました。

R.A 勉強についていけるかどうかが不安でした。特に数学と社会は不安でした。しかし、いつでも質問に対応していただけますし、テスト対策の冊子も配っていただけるのでそれを活用しながらがんばって勉強しています。

Y.H まず、友達と仲良くできるかどうかでした。小学部から上がってきた友達との会話について行けるかどうかが不安でしたが、すぐに友達ができたので心配して損した感じです。(笑)また、勉強についていけるかという不安もありました。

学校紹介

Question 次に学校生活について教えてください。T.Yくん、学校のお気に入りの場所やポイントはどこですか?

T.Y 広いサッカーグラウンドとわかりやすい授業です。サッカー部では、大学エリアのグラウンドも使っています。練習量が多く大変ですが、監督の技術も指導も素晴らしいのでがんばれています。勉強面では、1年の夏休み前まで全くわからなかった数学の証明問題も、先生のご指導のおかけで夏休み明けのテストでは良い成績を取ることができました。

Question R.Aさんはいかがでしょうか。

R.A 図書室がお気に入りです。とても本が充実しています。高価でなかなか買えない英語の本もたくさんありますし、もちろん日本語の本も読みます。女子部にある図書室に週1回は行くようにしています。

Question Y.Hさんは?

Y.H 音楽の授業です。音楽室から見える景色がとてもきれいで、自然に包まれながら歌を歌うことができるので最高です!

Question 入学前の印象と入学後の印象に違いはありましたか?

T.Y 人数が多い印象のため名前と顔が一致しない人も多いだろうなと思っていましたが、意外とアットホームな雰囲気だったのでほとんどの人と友達になれました。

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R.A 友人から生徒数が多い学校だと聞いていたのですが、キャンパスも広いですし、1クラス24名という規模で勉強できるのであまりそのことは感じませんでした。

Y.H 入学前はキャンパスが広いなとか設備が充実しているなという程度のものでしたが、入学後は、個性豊かな先生がたくさんいらっしゃってすごく楽しいという印象に変わりました。

Question 入学後、よかったこと、うれしかったことはなんですか?

T.Y サッカー部でAチームに入れたことです。サッカー部の中でも30名しかAチームには入れません。この30名の中からレギュラー選手が選ばれます。同じ学年で2人もレギュラーがいるので、僕も早くレギュラーになれるようにがんばっています。
勉強面では、小学校で大きく遅れていた理科と社会の成績が伸びたことです。特に化学と生物は中1の学年末試験で1位を取ることができました。やればできるという自信にもつながりました。

R.A 私は、生物のテストで良い点が取れたことです。日本の学校で理科を勉強したことがなかったですし受験のときにも理科と社会は勉強しなかったので、はじめのころは全くと言っていいほどできませんでしたが、先生方が丁寧に教えてくださるので、良い点数が取れたと思います。

Y.H クラスのみんなと仲良くできていることが一番うれしいです。また、何回質問してもいつも丁寧に教えてくださる優しい先生が多いこともうれしいです。

Question 入学後、困ったことはありましたか?

T.Y 学習面では、理科と社会の遅れです。それ以外では、入部当初サッカー部の練習が週3回しかなかったことと、通学時間が長いことです。今では週に6日練習があるので満足していますが、やっぱり少し疲れます・・・。(笑)

R.A 提出物やプリント類の管理です。整理しようとファイルを用意しているのですが、ときどきどこかに行ってしまって・・・。(笑)あと、バス停から学校が遠いことです。(笑)私はもみの木台というバス停を使っていますが、普通に歩くと10分ぐらいです。でも、ともだちとおしゃべりしながら歩くと15分ぐらいかかってしまうときもあります。(笑)

Y.H キャンパスが広いので、最初書道室などの特別教室がどこにあるかがわかりませんでした。(笑)また、「アルコーブ」とか「マルチパーパス」と呼んでいる場所がありますが、聞きなれない言葉だったので戸惑いました。

Question 制服は気に入っていますか?

T.Y はい、好きです。ネクタイを毎日結ぶのが面倒かなと思っていましたが、すぐに慣れました。

R.A まあまあです。ピンクのリボンと2種類あるスカートが気に入っています。

Y.H はい、気に入っています。公立に通っている姉の制服と比べるととてもかわいくて好きです。

Question みなさんは、部活には入っていますか?

T.Y サッカー部です。練習中の先輩方はとても厳しいですが、練習後はとても優しく接してくださいます。

R.A 弦楽部に入っています。うちの部も先輩がやさしくて練習も楽しいです。自由な雰囲気がとても好きです。

Y.H ラクロス部です。週4日ほど練習があり、ずっと走っているときは本当にきついですが、がんばっています。

Question 行事について聞かせてください。

T.Y 学園祭(鵬翔祭)です。うちのクラスでは、竹細工作りを体験してもらえる発表と展示にしました。学校見学を兼ねて学園祭に来てくれた小学生に道具の使い方などを説明しながら、竹細工を一緒に作っていきました。

R.A 菅平高原に行ったウインターキャンプです。時間の管理が厳しくて大変でしたが、スキーはとても楽しめました。

Y.H 生徒会スタッフで計画している夏フェスが楽しみです。生徒の仲を更に深めることが目的です。かき氷やヨーヨー釣りなどを含めた楽しい企画を考えています。

Question アクティブラーニングについて教えてください。

T.Y アメリカで経験していましたから、特に違和感もなく自然に始められた感じです。インターで勉強していた僕には、とてもありがたかったです。

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R.A  「まなボード」というホワイトボードにグループで検討した内容を書き出して黒板に貼り、順にプレゼンをするという時間があります。色々な考えがあることがよくわかります。

Y.H タブレット端末を使った活発な授業という印象です。宿題もタブレットから提出することもあります。生物の実験結果を写真で撮影したりもします。レポートをまとめるときも便利です。

Question 先生たちのことも教えてください。

T.Y 親身になってくれて、ユーモアのある先生が多いと思います。冗談を交えながら良い雰囲気を作ってくださるので、自然とやる気が湧いてきて授業にも集中できます。ネイティブの先生の授業は全て英語で行われるので、外国にいるかのように思うときがあります。

R.A 時には厳しいときもありますが、みなさんとても明るくて良い先生ばかりです。昨年の国語の授業では、先生が旅行での楽しいエピソードを話してくださり、そのままの流れで宮沢賢治の文章を読みました。ネイティブの先生はとてもやさしくて、わからない言葉などがあると、わかりやすく説明してくださいます。

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Y.H やさしく個性豊かな先生が多いです。厳しく指導してくださることもありますが、きちんとほめていただけることの方が多く、そのときはとてもうれしいです。ネイティブの先生はすごくおもしろくて、たまに英語のゲームなどを取り入れながら楽しく授業を進めてくださいます。

Question 一番好きな授業は何ですか?

T.Y 数学です。桐蔭に入ってから更に好きになりました。一方、今の悩みの種は国語です。1年生のときはまだ英語にそれほど力を入れなくてもよかったのですが、2年生になって英語も数学も難しくなったので、国語に使える時間が短くなってしまったことが原因だと思います。

R.A もちろん英語です。

Y.H わたしも英語です。でも、数学と歴史は苦手です。今回の歴史のテストは点数が低かったので次回はがんばろうと思います。戦国時代の武将なら少し知っているのですが、卑弥呼も聖徳太子も知らなかったので大変です。

将来の夢と後輩へのメッセージ

Question 将来のことはどのようにイメージしていますか?大学で勉強したいこととか、職業のこととか。

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T.Y 国立大学に進んで経済学を学びたいです。アメリカ時代の友達のお父さんがウォール街で働いていらっしゃって、すごく格好良くて憧れてしまって以来の夢です。そのこともあって、将来は金融関係の職業に就きたいと思っています。

Question そのために今、がんばっていることはありますか?

T.Y 数学と英語の勉強です。今回の試験では学年で10位だったので、次回は5位以内に入ることが目標です。

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Question R.Aさんはいかがですか?

R.A 進学先は具体的には決めていませんが、将来は英語を使う職業に就きたいです。通訳の仕事に憧れています。世界中の色々な人の話が聞けそうで楽しそうだなと思います。先日、英検準1級を受験しました。結果はまだ出ていませんが、今年中に合格できるように勉強しています。高校生になるまで1級も取りたいと思っています。

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Question Y.Hさんはどうですか?

Y.H 私も将来は英語を使った仕事に就きたいと思っているので、上智やハーバードなど英語を集中的に勉強できる大学に行けたらいいなと思っています。職業だったら、日本で通訳になりたいなと思っています。通訳としてテレビなどのマスコミで活躍したいです。そのために、今は英語をしっかりと勉強しています。英検準1級にチャレンジしていますが、中2までには合格したいと思っています。もちろん、準1級の次は1級に挑戦します。

Question 最後に、帰国生の後輩たちにアドバイスをお願いします。

T.Y 桐蔭学園は文武両道で、やりたいことが必ず見つかる学校だと思います。また、海外での経験を活かせると思いますよ。

R.A 英語ができるようになったので、帰国生で良かったなと思います。ですから、皆さんも英語の力はしっかりと身につけるようにしてください。一方で、国語の力がどんどん落ちてしまいますので、漢字の練習はしておいた方がいいと思います。また、受験をするのなら、早めに勉強を始めた方がいいと思います。しっかり準備ができていないと受験の前に不安になったり「もう少し早く始めればよかったな」なんて思ったりするからです。皆さんもがんばってくださいね。

Y.H 海外での生活は、とても貴重な経験になると思います。海外でしか経験できないことにたくさん挑戦してほしいと思います。私は学校生活で多くの国の文化を知り、友達のバックグラウンドも知ることができたことで、更に積極的に多くの人とふれあいたいと思うようになりました。もちろん英語力が付いたことで将来の選択肢も増えたように思います。海外での経験は受験するときにも必ず役に立ちます。がんばってください。

Question ありがとうございました。みなさんもがんばってくださいね。