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第10回目は最終回として「学習アドバイス」をお送りします

 

帰国中学受験に向けて、海外ではどんな学習をすれば効果的なのか、過去問をどのようして入手し、いつまでに終了しておくべきか等々、具体的にその学習方法を考えると難しく、煩雑であることがわかります。これらについての考え方や方法論はいくつもありますが、ここではその中のいくつかのパターンを取り上げておきます。

学習のポイント

第一志望校、そして第二志望校以下の受験校の入試スタイルを確認してください。帰国枠か一般入試か、入試科目に作文・面接試験はあるか、志望校群の入試科目に著しい隔たりはないか、帰国枠の入試問題のレベルは一般と比較して易しいのか、同レベルなのか、などを確認して今後の学習スケジュールを組み立てていく必要があります。

(1)帰国枠がなく、一般入試と同じ入試問題
(2)帰国枠はあるが、一般入試と同じ入試問題(合格基準点を若干考慮する)

このタイプの中学校の入試科目は、国語・算数・理科・社会の4科目が中心になります。学校により出題傾向が異なりますので、市販されている過去問の3年分を中心に、傾向および難易度を確認・分析してください。
入試対策としては、地域に中学入試に対応したコースを設置している塾があれば、通ったほうがよいでしょう。通常はそこでは国内の一般入試とほぼ同様のスケジュールやカリキュラムが組まれ、同じテキストを使って指導しています。それにあわせて学習に集中し、定期的な学力および志望校判定試験で自分の位置を確認しながら、国内の一般受験生と同レベルの質と量を確保した学習が必要となります。特に理科と社会は、自然環境や身近な動植物、社会の仕組みや文化などが異なりますので、日本国内で準備をする以上の時間がかかると想定していた方が無難でしょう。
そういった塾がない地域でこのタイプの入試を受ける場合は、本人、ご家族ともにかなり強い意志が必要となります。普段は通信教育や参考書、問題集を使って自ら学習を進め、長期の休みには一時帰国して講習などに積極的に参加する以外に方法はありません。ただし、受験までのスケジュールをしっかり立てて管理実行することと、質問がある場合にすぐに質問できる環境は必要です。通信教育を利用することも良いですが、可能であれば学校の先生やご両親の協力を求めましょう。

(3)帰国枠があり、入試科目が国語・算数で、一般入試とは試験内容が異なる

このタイプの中学校の国語・算数のレベルは、学校によって異なります。中学入試の基本問題レベルから一般入試とほぼ同レベルまでと幅広く、入試日が一般入試に近づくにつれて、レベルも一般入試に近づく傾向があります。
一般入試に近いレベルの問題を出題する中学校は、前述の(1)(2)と同様の準備が必要になります。一方、基本レベルを中心に出題する中学校は、難度の高い問題に手をつけるよりは、基本的な問題に集中し、その範囲を100%得点できるように繰り返し演習していく方が合格に近くなります。
基本であれ応用であれ、中学入試問題は、教科書の知識だけでは解けない問題が中心となっていますので、早めに準備をスタートさせてください。

(4)帰国枠があり、入試科目として国語・算数に加え、英語の試験がある

国語・算数は、(3)と同様に学習してください。英語の試験の対策として、過去問が入手できれば、出題傾向に沿った学習が効果的になります。英検やTOEFLを利用する場合は、ある程度の取捨選択が必要になります。
一般的に、現在身に付いている英語は、会話が通じるということを優先して習得した英語ということになるでしょうから、文法や文章表現としての英語(正確なスペル、抽象概念の単語量など)の力をきちんとつけていく必要があります。それには、難関私立高校入試用や大学入試用の問題集などで文法事項をチェックするのも効果的です。近年の長文読解問題では、英字新聞から出題されるケースも見られますので、英字新聞を読むという習慣も身につけたいところです。
ただし、中には英語よりも国語・算数に比重を置く学校もあるので、事前に教科比重については確認しておくことが大切です。

(5)帰国枠があり、入試科目が英語(Essayを含む)

このタイプの入試は、現地校やインター校の出身者が対象になります。英語については、(4)と同様に進めてください。このケースでは、幅広い文章読解能力(Reading)と文章作成能力(Writing・Essay)が求められます。
これまでの入試問題を見ると、文法力、語彙力ともに英検準一級レベルの力が要求されています。その上で、Essayなどの対策として、添削指導を受けていくことができればベストです。なお、このケースでは、面接試験として、英会話やディスカッション・ディベートが加わることも多いので、英語を使っての表現力を磨いておく必要があります。

(6)帰国枠があり、入試科目が適性試験・面接

このタイプの中学校では、過去問が非公表になっているところが多く、その場合、具体的な問題の傾向に沿った対策をとることは難しくなります。過去問がない場合には、具体的な学習の方向性が見えてこないために非常に不安になりますが、これは他の受験生も同じ条件です。対策としては、A.国語・算数の基本的な学習をしっかり行う。B.学校での勉強に真剣に取り組む。という2点です。現地校、インター校に通う生徒も学年相当の漢字や計算はできるようにしておきましょう。
大切なのは、その学齢(12歳)として持つべき「教養」を身に付けておくことです。「教養」とは、学科に限らず、困難に直面したときの行動力、未知に対しての対処方法などを導く下地になるものです。いわゆる暗記をしたり、公式を使って正答を導いたりするものとは異なる力ですが、それでもこの力の基礎となるのは、やはり学校で習っている事項です。これは自分の判断や考えを確立するための基本になりますから、決しておろそかにしないことです。

 
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