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JOBA 帰国子女大学入試直前講習会の基本姿勢

帰国子女受験の恩恵

大学受験において、帰国生は国内でずっと学んできた生徒より恵まれている、という声があります。それが合格の易しさを指したものであれば、一般入試と帰国生の入試はいろいろな点で違いが大きいため比較が難しく、簡単に真偽を確かめることは出来ません。しかし、別の意味でなら、たしかに帰国生は受験において恵まれていると思います。

一般入試と違い、帰国生の受ける日本語小論文や外国語の筆記試験、および理系学部における数学や理科の筆記試験は、大学受験という限られた機会を超えた大きな意味を持っていると言えます。なぜなら、それらによって測られる力は、受験終了後の大学での研究や大学卒業後の人生において必要とされる技能の土台となることが多く、受験対策がその土台を築く役割を果たすからです。たとえば、日本語小論文の学習を通して得られる読解力・思考力・論述力や社会・人間についての理解は、その後の精神活動の基礎体力のようなものですし、外国語試験への対策として体験的・感覚的に習得した外国語を体系的に整理することは、その言語を社会的活動において用いられるものとするための大きな一歩となります。

学習を通して成長しよう

JOBA大学入試直前講習会では、受験前の学習が持つこうした単なる受験対策を超えた意義を信じ、受験対策として行うことが単なる付け焼刃ではなく将来にわたって有用となるよう心掛けてカリキュラム作成や授業を行ってきました。もちろん、現実の受験では入試問題が受験生の学力を適切に測れる形で出題されているとは限りませんし、付け焼刃ではない力を身につけるというある程度時間のかかる取り組みの成果が入試日にうまく間に合うとも限りません。そのため、志望大学・学部の出題傾向に直結した対策を生徒の成長過程と関係なく行うこともありますし、「今この点においてより深い視点を得られるよう働きかければ、このあと大きく成長できる」と思いつつ、その働きかけが間近に迫った入試でむしろ混乱を招く恐れがあれば、断念して現状の視点で手堅く得点できることを目指すこともあります。こうした場面は受験用の講習会には不可避のものですが、その種の目先の対策とのジレンマを抱えながらも長期的な成長を目指して生徒と関わってきたのは、結果的にそれが生徒の入試前の成長を最も強く促進するからです。いわゆる「受験用テクニック」の伝授や「これだけ覚えれば受かる」濃縮型の知識習得は、JOBAでも限られた期間の入試対策である以上、必要に応じ適宜(この「適宜」に神経を使っている訳ですが)授業に配分していますが、生徒の持つ「成長しよう」すなわち「大きく変わろう」という欲求を刺激しないだけでなく、考える意欲と能力を阻害することさえあります。また、そもそも小論文のような長い論述型の試験では、受け売りの生半可な知識をそう露呈せずに答案にまとめられるのは情報処理能力に長けた一部の生徒に限られるため、入試対策としても効用が疑われます。

JOBAの体制とその成果

そのためJOBAでは、学びたいという欲求と考えることの面白さを感受する力とが生徒に内在していることを信じて、それらに積極的に働きかけ、それらが生き生きと発現する講習会を目指してきました。そしてそれを実現する体制として、生徒が学びうるものを持った教師がいつでも話の出来る距離にいること、および、授業を担当する教師が授業だけでなく受験サポート全般に関わることでより総体的な視点で生徒と接すること、の2点をこの講習会の柱として位置づけています。このことが生徒の学習にもたらす効果は実際に体験していただくほかありませんが、具体的な運営・授業体制としては以下のような特長につながっています。

  • 大学・学部の選考傾向まで含めた入試情報を各生徒の受験に直接生かすことが出来る
  • カリキュラム・教材作成の時期が授業実施時期に近く、最新の出題予想と受講者の状況に対応した形で授業カリキュラムを構築できる
  • 小論文授業担当教師と、適性・関心を踏まえた進路相談ができる
  • 授業と授業外の学習とを組み合わせた総合的な視点で入試直前まで学習を進められる
  • 日本語小論文や、入試対策としても帰国生の英語力向上にとっても非常に重要な英文和訳について、自分の答案を教師にいつでも見てもらえる
  • 授業が活発な雰囲気の下で行われ、教師だけでなく他の生徒からの刺激を受けられる

また、小論文授業担当教師が入試情報の収集からカリキュラム・教材作成まで分業せずに関わることで、授業で扱った素材・論者が非常に高い確率で入試に出題されるという結果を生んでいます。2007年の直接的な的中例としては、筑波大国際総合学類対策として直前の短期間で重点的に扱ったバイオエタノールと人道的介入が2つとも筑波大国際総合学類で出題されたこと、8月後半に最重要テーマとして扱った食糧安全保障が9月初旬の早稲田大で出題されたこと、現代文授業において「今年出題される文章」として唯一取り上げた『脳と仮想』が立教大で出題されたことなどが挙げられます。

実りある受験を

現在終盤を迎えようとしている2007年度の大学入試直前講習会では、数々の成功の陰で、いくら学力が上がっても「受かるはず」という自信、「絶対受かる」という気迫がなければ実力を発揮できない、という当たり前のことを改めて2人の生徒から学ばされました。2008年度もよりいっそう各生徒の状況を全体的に見ながら、各自にとっての実りある受験を実現できるようサポートしたいと思っています。

JOBA大学入試直前講習会 教務主任 前島宏明

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