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高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

光文社
¥ 735
平均評価:

購入者の感想です

ちょっと扇情的な週刊誌記事のようだが、実感は伝わってくる(2008-11-29)

定職につけていない博士が12500人、修了者には行方不明、死亡も多い。少ない収入でぎりぎりの生活をしている優秀な博士号取得者の現状が多くの事例で「これでもか」と取り上げられる。この状況を招いた文部科学省と東大を批判する。私の周りにも博士課程在籍者で、なかなか就職が見込めない人があり、社会的な現象になっているのだろうと思うのだが、若干扇情的に書きすぎなのではないかという風に思えた。博士号取得が専任教員への過程でなく、自らの自己実現の目的としていくべきという著者の意見には賛同するし、これから多くの社会人が勤めながら博士号を取得していくような社会も望ましいと思う。ただ、大学院研究室での「会議の準備や飲み会の手配など下積みの仕事で、人と顔をつきあわせるのでコミュニケーション能力が上がる」という筆者の主張については、企業など何らかの組織に入ったら当然あることで、特別に大学院で得られるスキルではないと思った。

あまり分析的でない(2008-11-11)

1.“学位持ち投稿者の論文を学位を持たない査読者が掲載却下するのは不当だ”。
査読付雑誌は内容の如何で掲載/不掲載を決めるものです。一般的には、修正や不掲載の場合はその理由を投稿者に伝えているはずです。その当否を議論をしないと意味はありません。

2.“コンビニバイトは屈辱的だ”。
もっと時給のよいバイトを探してはどうかとしかいえません。塾などの受験産業とか。大学の非常勤講師の仕事は日中が中心であるのに対して受験産業の場合は夜が中心になるから両立は不可能ではないでしょう。

3.“人文・社会科学系での就職は困難だ”
人文と社会科学では全然状況が違います。社会科学の場合あんまりきつくありません。認識が雑だと思います。

4.“学歴ロンダ組は不利だ”
別のレヴュワーの指摘にもあるように、「ロンダ」で研究者としてやっている人は多くいます。大学入試で測る学力と研究者としての資質は必ずしも一致しません。

5.4章までと5章との論調の相違
社会批判を展開する4章までと、“気の持ちようが大切”と大学院進学を称揚する5章−1人の筆者の1つの著作においてこの一貫性の欠如は無責任だと思います。

「博士が 100 人いる村」の書籍版(2008-10-28)

自分自身が博士課程に進んでしまった方、あるいはそういう人が身近にいるという方、現実を知るためにも読んでおくべき一冊。かもしれない。

ひとことで言えば、「博士が 100 人いる村」をデータや現実の例を挙げてより詳しく提示した本です。本のタイトル(副題)もなかなかに強烈ですが、内容はそれ以上にショッキング。

かなり衝撃的な内容ですし、かなり衝撃的な実例も示されています。ただし、あまり大まじめにショックを受けないようにご注意を。はっきり言って、内容的には偏っている部分も多いです。また著者の恨み節が入ってしまって、穿った見方をしている部分も多いです。一定の距離を保ちながら、冷静に現実を読み解いていくのが賢い読み方でしょう。

大学院は食い物にされている(2008-09-10)

「末は博士か大臣か」。この言葉がもはや全く意味を成さないことは、実際に研究の世界に身をおいている30歳前後の若手研究者にとって骨身に染みてわかっている。国がポスドク増強政策を打ち出し、怒涛のごとく博士号取得者が増えた結果がもたらしたものは何か。就職難、そして無駄に高学歴なフリーターが増加したことである。

本書のテーマである「高学歴ワーキングプア」。世間的にようやく問題視される声が上がってきたとはいえ、現状に身をおく研究者から見ればまだまだ認知度は低いといわざるを得ない。30年近くも勉強を続け、その結果フリーター送り。本人の選択の結果だから仕方がない、とだけは言えない。大量の国民の税金が博士号取得者を生み出すために投入されていることをもっと認識しなければならない。

いまや「大学院はフリーター生産工場」とまで言われる有様である。本書はそのような状況について赤裸々に述べるだけでなく、大学院進学者が少子化にもかかわらず増え続けているこの現状は、現在「上層部」に居座る者達の利権確保の結果にすぎず、「計算どおり」のものなのだ、と述べる。「若者から搾り取れるだけ搾り取ればいい」という風潮を暴露するこの議論はショッキングではあるが、かなり事実に近いものと思われる。実際に研究の世界に過ごす人たちはもちろん、多くの知識人に読んでいただき、警鐘を鳴らすきっかけになればいいと思う。

ワーキングプアか!?(2008-07-09)

「高学歴ワーキングプア」という言葉をつかっているが、本当にワーキングプアといえるほど働いていますか?私も博士課程在学中に非常勤講師を2年やった後に専任になりましたが、非常勤は週に1回90分の講義を6回(多い人は10コマやってる人もいるけど)ほどやっているだけで月に15から18万円(年をとるともっともらえるのかな?)くらいはもらえてるんだから、時給に換算すれば相当な高給取りですよ。その上論文を雑誌に載せれば原稿料も相当もらえますし。
私は非常勤講師をやっていた2年間は結構時間が取れて論文をたくさん執筆できました(おかげで専任とれたわけです)。
ということで、できる人はどんな状況でもできるんです。できない人は大学という業界から去るべきでしょう。去らないまでも不平不満の書でお茶を濁している場合ではありません。そんな著者もどこかの大学の専任になったら手のひら返すんでしょう!?
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