購入者の感想です
ポスト金正日は統一が常識(2008-10-27)

日本は拉致解決が経済支援の条件だなどとすら言っていない。単に拉致解決が第一の課題である、と言っているだけである。これは「危機」や「対立状況」からの〈派生物〉というのではないだろう。最早、日本は半島の統一なくして国交正常化なしとまで考えていて、もっと穿った観察者は中国が北半分を併合する可能性さえ示唆している。
半島統一は、北が崩壊とまで言わずとも政治的に折れるのでなければ実現しない。早期に軍事的経済的に圧力をかけられて渋々か与太与太かになってそうするか、緩慢な交流の促進によって長期に自然な動勢からそうするか、その時間的な違いは出てくるものの基本的な状況は変わらない。著者も再三、北の横暴を許せるわけではないと断りつつも、そこは平和国家として新生する統一韓国の誕生を展望している。細部で議論がコマ切れになって透徹した国家構想にまではなっていないという憾みはあるだろうものの、民主的な統一を現実の国際的な視野から展望するその筆致だけは一貫していて終始好感が保てる。
薄い本です。買う価値はありません。(2008-03-30)

結論から言えば、空理空論に満ちた駄本だな、という印象しか持てませんでした。
民間団体による交流が深まりつつあるからと言って、
金正日体制が維持されたまま統一できるというのは
あまりに牽強付会が過ぎるのではないでしょうか。
またどこか韓民族至上主義的記述、自民族を称揚したくて
しょうがないとしか思えないような記述が各所から漂ってきてしまっています。
日本の対北朝鮮イメージが「拉致」「ミサイル」に焦点があたっていることを
批判めいた論調で書いていますが、これはイメージというより実体であり、
日本人の北朝鮮イメージ形成に問題があるような書き方は卑劣です。
また現在進行形で進展している北朝鮮の犯罪行為には知らんぷりを決め込む
ようです。
参考文献一覧を見ても、手を抜いたなという感があります。
(もちろん省略してるのでしょうが)
こんな人が現在日本の大学で准教授をしていることに暗澹とさせられました。
学生でもかけそうな本です。
太陽政策への不安を感じる(2007-11-06)

著者は,まさに386世代であり,盧武鉉政権を支えてきた当事者なのだと思います。
北で行われている人権侵害を改善しなければならないことに対して,
一定の理解を示しながらも,一貫して「太陽政策」「民族宥和政策」を指示し続ける論法です。
「北を孤立させてはいけない」「北を追いつめてはいけない」と著者は言っていますが,
そんな甘い考えで大丈夫なのでしょうか?と,これからの韓国が心配になります。
このまま「太陽政策」を続けていったら,やがて韓国は北朝鮮の言いなりになるのでは?
今後の韓国を左右する,次の大統領選挙から目が離せません。その選挙の前に読むと勉強にはなるかもしれませんが,
難解で読みづらい箇所が結構ありました。
途中の「反共政策の歩み」のような箇所は面白かったですが・・・。なので☆2つです。
著者は三八六世代で、韓国の市民派、民族主義(2007-11-04)

著者の名前を見て火山岩の玄武岩(黒っぽくてしばしば柱状節理をなす)と同じ覚えやすい。
三八六世代で金大中政権以降の北朝鮮への太陽政策の支持者。韓国民と北朝鮮人民の交流は日本ではメディアがあまり報道しないが、今ではかなり行われている。
同じ民族として、北朝鮮に対しては同胞意識が強く、北に受け入れられるよう徐々に体制の変革を促し、市民の連帯によってナショナリズムが民主的に制御された「統一コリア」をめざすべきだとの主張です。
文章はあまり読みやすくはなく、例示は1〜2あげればいいのに多過ぎ、白書のように正確で冗長で味気なく感じるところがあります。また日本で取り上げられる北での人権侵害情報も10年前の情報の再利用という指摘は同感です。でも、著者は北がやってきた数々のテロにはほとんど触れていません。
朝鮮半島で統一コリアが出来ることは望ましいことですが、コリアンは日本人以上に何事に付け(例:収入、学歴、見た目)序列を着けるのが好きで下と感じた者には見下すところや、一見太っ腹に見せミエを張りたがる、また、日本人の感覚ではあまりフェアではないところがあって、北朝鮮の人々と摩擦無く共存できるのかやや心配です。
隣家で進む大きな変化(2007-09-25)

南北交流の層の厚さを実感。
南北トップ会談は氷山の一角に過ぎない。
民間や各政府組織、経済主体による、その下の膨大な層の積み上げを認識。
また、非武装地帯をまたいで、工業団地が建設され、そこには鉄道も引き込まれ、多くの北朝鮮労働者が韓国の資本とマネジメントのもとで働いているという。
統一コリアが生まれた時に、日本はどのような影響を受けるのか、と考えるととても興味深い。 さらに、統一コリアが新自由主義体制国としてグローバル経済に統合されるイメージや、東アジア共同体のイメージを空想すると、さらに刺激的だ。
しかし、核問題への斬新な視点が提示されておらず、個人的には物足りない。
グローバリゼーションへの対応で先行する韓国が引き続き統一をリードする、と著者は述べるが、核問題がまるで喉に刺さった棘のように、その意見を飲み込む際の違和感となる。(という認識自体が西側のメディアにより形成されたバイアスなのか?)
また、途中から理想主義的記述が続き、現実から遊離してゆくような感覚を覚えた。
(ハバーマスが、ソウルで民族を超えよと講演したくだり以降。)
しかし、朝鮮半島を超え、東アジアへと漂いゆく、その浮遊感は決して嫌いじゃない。 むしろ、コワク的な響きというか、、、
出だしは固いですが、途中から読みやすくなります。