読み物として面白かったです。(2008-11-11)

著者の香山さんには過去の著書やテレビでの印象に少々偏見を持っていましたが、
今回の作品は、適度な距離感を持って、表層的な実例引用はありますが「親子」
の「事例」を並列に記しており、彼女の個人的な意見(分析や結論でなくて、
あくまで「意見」レベルですが)も読者に媚びずにそれなりに書いていますので
、読者側がフラットに「意見」を述べやすい構成になっています。
その分、嫌味もなく、結構重たいテーマなのに無味のスープを飲んでいるような
感覚で読めました。
自分自身を、「子」の立場と「親」の立場で実感できる方(層)に適しているか
も知れません。
「親子」という関係が、もうそれだけで「病」なのだというアプローチ(決して
「結論」であってはならないと思いますので敢えて)は、思い悩んでいる人には
憑き物が落ちる思いがされるかも知れませんし、一層、刹那的になって、「おい
おい精神科医がそんなこと言っちゃって」という気持ちにもなるかも知れない、
そんな読後感でした。
でも、個人的には距離感があって、「読み物」の範疇でしたけど。
親子関係で苦しむ人に(2008-11-02)

最近は人生でつまずいたときに親のせいにするのが流行りらしいが、育った環境が悪かったと悩み続けるより「そもそも健全な親子関係というものはない、みんな親子という病をもって生きている」と考えた方が前向きになれるのではないだろうか。
いつもの香山氏のように事件等の考察を単純化している箇所も多々あるが、温かなメッセージに満ちており勇気付けられる人も多いと思う。
そうそう、そうなんだ、と思える人にはいいのでは(2008-10-31)

香山さんの本は軽い。
自分が体験したことと最近のニュースを観察して、さっと書いちゃった、
そんな印象です。
観察対象も範囲が限られていて
そこそこ経済力のある女性、それもせいぜい40代。
対象が狭い分、ピンポイントでぴったりくるのです。
「そうそう、そうなんだ」って言って読んでいる人はきっと多いはず。
自分だけじゃないんだーって読むと気分が軽くなるから、私は香山さんキライじゃないです。
親との関係で悩んでいるなら・・・(2008-10-22)

親子との関係がギクシャクする。親の存在が重荷である。親には自分のことについて口を出してもらいたくない・・・などなど親との関係は切りたくてもたやすく切ることができないからこそ難しい。
そんな親との葛藤を心の中に抱え込んでいる人には、悩みに一条の光を与えてくれる本だと思う。前半は実際の事例を基に書かれているが、後半には精神科医の香山らしい生産的なアドバイスがちりばめられている。
それをここにいちいち書くほど不粋ではなし、読者によって心に残る部分が違うだろうから書かない。しかし、多くの読者が得心するような方向が示されていると思う。
親との関係で悩んでいるなら一読をおすすめする。