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新書のご案内

早稲田と慶応 名門私大の栄光と影 (講談社現代新書)

講談社
¥ 756
平均評価:

購入者の感想です

私立大学の特異点たる2校の興味深い比較(2008-11-05)

誰もが漠然と持っている大学のイメージを卒業生の進路、論文引用数、内部進学率、同窓会の活動状況などから比較する。読後感はサンデー毎日やアエラの特集を読んだ感じ。この著者は「日本のお金持ち」を分析するなど、身近なテーマでたくさん本を書いていらっしゃると思う。

最も成功した私大の物語(2008-10-12)

早稲田と慶応は学力ではそうでもないのに、日本各界をリードする人を大量に輩出し、日本の代表的大学の一つとされるのか?すっかり私学最高峰みたいな顔をしている両校が、100年かけてどうやって名声を獲得したのか、理由を歴史を追いつつ解明しながら、今後の課題などを考える。数ある私学の中からブランド戦略で勝ち上がった成功物語は読んで面白い。

「格差社会」の言葉を普及させた人らしく、慶応の親の所得の高さと幼稚舎からの純粋培養ぶりに注目し、「天は人の上に…」の学校が格差社会の象徴になってどうする!!とか、幼稚舎からの教育については「世の中知る機会なくなるん違う?」とちくり。同感だが、セレブ親は聞く耳持たんだろうな…また、早稲田の大規模化にも、学生や教育の質の維持の点で疑問を呈する。著者によれば、慶応や同志社のゼミは20人以上、京大は数人とかで、いかに国立での勉学が有利か実感する。本書の最後でも述べられるが、ノーベル賞など各種学問実績で両校が上位国立に全く歯が立たないのか、この辺が理由なんだろう。

内容は「早稲田は多様、慶応はセレブ」という従来の校風イメージを各種データで再確認するという感じ。どちらも個人的には下らないと思うが、本書が言う通り、校風が確立されたことで学校への憧れが生まれ、質の高い学生を呼び寄せた側面はあるのかも知れない。著者は早慶と縁のない人なので、両校の関係者がたいてい絡んでる早慶本にありがちなマンセーぶりはまったくなく、冷めた目で書かれていていい。

極めて適切に分析されている(2008-10-08)

評者は早稲田と慶應義塾、何れかの関係者(この二つの学校の場合、片方に関係していれば事実上もう一方の関係者であるとも云える。早稲田と慶應は、100年以上もの長きに渡って最強最大のライバル同士であると同時に最高最良の友人同士でもあるから)である(笑)。当然と云うべきか愛校精神は強く、タイトルに魅かれて本書を手に取った次第である。

評者は、塾員(慶應義塾の卒業生)の母校愛の深さや、塾員の同窓会である三田会の結束力の強さに対する視点に関して特に興味を持った。「大半の慶應生が在学中に良い思い出を作る事が出来、また人間関係も良かったので満足して卒業する→母校愛が強くなる→その良い思い出を共有したくて卒業後も集まりたがる。更に、慶應の人間に悪い者はいないだろうと云う確信から同窓生への信頼性が高まって行く→結果、三田会の結束力が強まる」。見事な分析である。
ことに、「同窓生への信頼の強さ」は慶應義塾を語る上での最重要キーワードと云ってよい。
 
最後に筆者は、早慶に於ける唯一つの弱点として、学問・研究力の弱さを挙げている。筆者は「早慶関係者からの猛反発を覚悟の上で書いた」としているが、その関係者として云わせて戴ければ、否定しようのない厳然たる事実なので、筆者は懸念する必要はないものと思われる。本2008年度の自然科学三分野に於ける日本のノーベル賞受賞者が悉く国立大学出身者である事を考えれば反論の余地は無い。そもそも、これまで早慶出身者に分野を問わずノーベル賞受賞者は存在していないのである。関係者としても甚だ遺憾に思う。早慶大当局者が本著者の指摘に反発を覚える様では全く駄目で、これ以降の進歩発展は望めまい。早慶大学当局は謙虚に反省し、この現実を厳粛に受け止め、特に理系分野の発展・拡充に努めねばならない。特に現早慶総長・塾長は理系学部出身なのであるから。早稲田は早急な医学部創設によって真の総合大学化が望まれるし、慶應は薬学部を作った事で漫心してしまわない様にしなければならない。早慶関係者の一人として、外部者の視点から有益な指摘をして下さった本著者に心より感謝申し上げたい。本書の登場によって、早慶当局の蒙が啓かれれば幸いに思う。

詳細なデータの数々が本書の主張を説得力あるものとしている。早慶関係者は無論の事、両大学の受験生やその保護者、他大学・教育界関係者にも広く推薦する。島田氏の「慶應三田会」と併せて読まれたい。

本書を読めば、我が国に於ける早慶両二つの大学の、他の追随を許さぬ圧倒的なプレゼンスや、他の大学がキャッチ・アップする事の至難が理解出来るであろう。ちなみに、今年創立150周年を迎えた慶應義塾は、初代帝国大学総長たる渡邊洪基を始めとして何名かの東京(帝国)大学総長を輩出している。東大は先年130周年を迎えたばかりである。

正直おもろしくないです。(2008-09-27)

元京大、現同志社の先生による早稲田・慶応論。だから客観的な評価があるかといわれれば、相当あやしいかと。例えば、国家1種の合格者が多いから早慶は官界にもかなり進出しているという記述(47頁)。合格しても採用される保証はなく、その上、合格者自体を増やして採用の方が不透明になっているとも言われるのに、東大京大と比較できるほどに「進出」しているとは不正確にすぎます。また例えば、慶応幼稚舎の教育がすばらしいという記述(101頁)。橘木先生! 庶民の私にはどうしてすばらしいのか分かりません! 教えてください! まあ、慶応は金持ちで閉鎖的だとか、早稲田は田舎出で量が多いとか、一般にぼんやりと抱かれているイメージをこれまたぼんやりと裏書するだけでは、720円払った人は満足しないでしょうね。早慶の校歌や応援歌は関係者でなくとも歌えるくらいだから、関係者でない人も両大学にもつイメージを裏書するだけで、本邦初?の部外者による早慶論とはいえますまい。これでは、マスプロの私大でマスプロされた卒業生、関係者を当て込んで、お気軽に作られた書物ではないかと。まあ、売れるんでしょうけど。

早稲田・慶應両校を客観的に評価・分析した良著(2008-09-22)

著者は早慶両校とは何の関係もない人物だが、そのためかえって客観的な記述を行うことが可能となったのだと思う。

早稲田の強み・課題:多くの優秀な人物を輩出し、社会的影響力が大きい反面、マスプロ化による弊害が起こっている

慶應の強み・課題:財界での影響力が強い反面、閉鎖主義で批判される可能性もある

と、上記のように分析している。

そこでは福沢・大隈のエピソード等、歴史的な紹介もなされていて面白い。
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