帰国生に対する英語の授業は一般生(国内生)と異なっていますか。
英語上級クラスを実施しています。ネイティブ教員の指導のもと、英語を母国語とする国の中学生・高校生が読むレベルの教材を使います。10名以下の少人数クラスですので、intimateな雰囲気の中で活発なやりとりが展開します。生徒が将来、海外の大学に留学したり、国際的に活躍できるような実用的な英語運用能力の育成を目標としているので、英語を通して学ぶことやディスカッションやディベート、スピーチ活動にも力を入れています。
帰国生が入学後、彼らを指導する上でもっとも気をつけていることは何ですか。
教科指導面:授業は早い段階より習熟度別にしているので、自分のレベルに合った授業を受けることができます。また、学園では1年1組等のいわゆるクラス担任制は取っていません。欧米では当たり前のように行っているチューター制度(10人~20人程度を1人の教員が担当して担当生徒の学習状況全体のアドバイスを行うもの)を取り入れています。帰国生といっても画一的にすべての教科に対する補習ニーズがあるわけではありません。どの生徒も得意不得意科目があり、その生徒の全体像をしっかり把握した上での学習指導が不可欠です。夜間補習を実施できるのも全寮制の強みの一つで、生徒はチューターからの助言も参考にし、各教科から提供される様々なレベルの補習や夜間補習に参加します。帰国生は海外経験のあるチューターが担当することを基本にし、帰国生の立場に立った、きめ細かい対応を心がけています。
生活面:特に前期課程生(中学生相当)や編入生にとっては国内に戻り、学園生活にスムーズに適応していけるかについて不安を感じることもあるかもしれません。前期課程においては帰国子女経験のあるハウスマスター(授業も行うお父さん役:以下HM)やフロアマスター(協賛企業から派遣される優秀な20代の青年でお兄さん役:以下FM)が担当する帰国生ハウス(一般生と混合)を設けています。同じような経験をした仲間や、いつも身近で見守ってくれるHM、FMは帰国生にとって心強い存在です。帰国生の貴重な体験を活かしつつ、帰国生にも日本の文化や習慣、それに仲間の作り方等、双方向で学べるように工夫した運営を行っています。ハウスに帰ると帰国生や英語の得意な生徒が普通に英語で日常会話を行っている場面も見られ、生徒それぞれの得意なことを伸ばし、他の生徒への前向きな刺激になる意味でも帰国生の存在は貴重です。
帰国生が入学するにあたって、事前にしっかり認識しておいてほしいことは何ですか。
海陽学園か望む帰国子女生徒像は、自らのアイデンティティを大切にしつつ、国際感覚を維持・発展させたい生徒です。昨今、多くの帰国子女が社会で活躍するようになりましたが、なかには語学はできるものの、アイデンティティ(価値観や文化観)のよりどころがなく、国際社会で活躍できずにいる若者も多くなっていると指摘されています。当校では日本人としてのよいところもしっかり身に付けた上で、柔軟に多様な国際的価値観に対応し、ツールとしての語学も駆使できる国際的リーダーを育成したいと考えています。
帰国生やその家族に伝えたいことがあればお書きください。
特徴のあるボーディングスクールですので、帰国の際には是非とも体験入学会(夏休み中)や学校見学会・学校説明会にいらしてください。体験入学ではご子息は実際にハウスに宿泊して、様々なアクティビティを通して学校の雰囲気を肌で感じることができると思います。
帰国生が入学するにあたって、必ず喜んでもらえそうなことは何ですか。
全国・海外から生徒が集まる全寮制のボーディングスクールです。通学生はおらず、24時間、仲間と一緒に過ごします。HM、FMは一緒にハウスで生活し、多くの教職員が敷地内の教職員住宅に住んでおり、自由時間や夜間を一緒に過ごします。同じ釜の飯を食べた仲間と深い友情が芽生え、一生の友人ができることでしょう。また、様々な自治活動を通してのリーダーシップ発揮の機会があります。部活動、文化祭や体育祭はもちろんのこと、ソサイエティ活動(例:スモーク料理を作ろう、大道芸を学ぼう、スペイン語を学ぼう、博物館や美術館へ行こう、Jリーグを見に行こう等々)やハウス行事(富士登山、ハイキング、バーベキュー、ハウス対抗スポーツ大会、等々)が平日・休日問わず多く開催されます。こうした純粋な学業以外の活動の機会を増やしていくことが、当校が掲げるリーダー教育、全人教育の大切な要素です。そして、社会人経験のある先生が多いので食事や自由時間に分野を問わず相談でき、実際に企業活動を経験するインターンシップやキャリア講座が企画されます。昨今、日本の教育界ではキャリア教育の重要性が叫ばれていますが、海陽学園では毎日がキャリア教育です。将来の夢や、なりたい自分を発見する機会をたくさん用意しています。
帰国生に対しての具体的な受験準備のアドバイスをお願いします。
入試、編入試共に帰国子女入試を実施し、海外で得た経験や学力を考慮します。英語については帰国生入試では選択で受験でき、特別英語上級クラス受講の参考にするとともに合否判定に含めます。特別英語上級クラスへの受講基準は概ね英検準2級以上となっています。また、基本的な教科学習もおろそかにしないでください。特に言語力は基礎学力を伸ばす時にとても重要になるので読書(日本語含め)の習慣は身につけましょう。帰国生入試の国語の試験では漢字の書き取りと読み、基本的な言葉の意味の理解、それに文章理解力と自分の考えを表現する力が出題されます。算数・数学については基本的な計算力と自分の頭で考える力が試されます。基礎的な計算の練習と「なぜ、なに」と考える練習をしておきましょう。