« 2006年度中学入試結果 その5 | JOL Blog TOPへ戻る | 2006年度 海外・帰国子女高校入試ガイダンス その4 »

2006年02月01日

2006年度 海外・帰国生大学入試ガイダンス その4

先週に引き続き今週も、「海外・帰国生大学入試ガイダンス」をお送りします。最終回の今回は「学習アドバイス」についてです。

学習アドバイス

小論文
小論文は帰国枠入試においては、最も重視されます。使用言語は、東京大学や筑波大学(2学期推薦入学)のように日本語の他、外国語の小論文を出題するところもあります。多くは日本語が中心です。
出題形式は、資料文などを読ませてから書かせる形式と題目だけを与えて書かせる形式の2つがあります。国立大学の入試や学部学科別に行われる入試では、課題文が与えられることが多い傾向にあります。多くの場合、字数は600字から1200字程度、時間は60分から90分程度で実施されます。国語とともに、あるいは英語エッセイと合わせて実施ということもあります。国立大の入試の方が比較的課題文が難解である傾向にあります。

課題文が与えられるとか、学部学科別の出題などと言うと、専門的な知識が問われると思われるかもしれません。そうした入試問題を課す大学・学部もない訳ではありませんが、大部分は専門知識の有無より読解力・思考力・学科への適性を求めています。課題文の中心的主張を正しく理解し、論じるべき点から目を逸らさないことが鍵になります。読解力があれば、受験学科に関係する専門的内容の基本理解が課題文から得られることもあります。
もちろん、関心をもって専門的に追究する中で知識を身につけるのは良いことです。しかし、それが大学入学以前にできる人はそう多くはありません。まずは日々感じたことや考えたことを大事に温めること、およびそのきっかけとなる読書や体験を重ねることを心掛けましょう。読書は本に限らず新聞でも有意義ですが、報道記事や社説だけでは話題・問題になっている出来事について知るだけに留まってしまいます。それより、執筆者が明らかである論説の中から、自分の関心ある領域のものを逃さずに読んでおくとよいでしょう。
また、漢字を書く練習をしておくべきと考える人が多いですが、それよりも読めて意味の分かる語を増やしておくことの方がはるかに重要です。読める語が多ければ入試前の練習で十分書けるようになります。
小論文に限らず、過去の入試問題を参考にする人は多いようです。帰国枠入試問題は入手が難しいですが、小論文については、一般入試でも小論文試験が広まっているので、そのための市販問題集を購入しても十分参考になります。このことは英語入試問題についても同様で、特に英語の読解問題については一般入試と大差はなく、和訳を含め読解問題が入試で大きな比重を占めますので、市販の大学入試用問題集を解くこともよい練習になります。

英語
大学が帰国生に求めるものの一つとして、海外で身につけた高い語学力があります。したがって、入試では高度な内容が出題されると考えておいた方がよいでしょう。日常的なコミュニケーションに不足を感じない人でも、入試で出されるような(そして大学で用いるような)抽象度の高い文章を読み書きすることは苦手かもしれません。自分の英語力を客観的に見ることが必要です。
出題形式は、英文和訳や日本語で要約させる問題やTOEFLのように英語力を英語で確認する問題の2つに分類できます。国内一般入試と同様の問題を出題する大学もあり、帰国生が苦手とする文法問題も出題されるケースがあります。
どんな形式にしろ、英文を正確に読みとる力が最も要求されているといえます。英文の難度は当然高いですが、現地での学習やSATⅡ、GCEなど統一試験の準備として英語で他教科の学習をきちんとしていれば、帰国後の演習で十分対応ができます。

国語・日本語
全ての大学で実施しているわけではありませんし、同じ大学でも学部により実施の有無やレベル・内容に違いがあります。理系学部では実施されず、文学部で実施されることが多いです。基本的には、大学の授業に十分ついていける日本語能力があるかどうかを確認するためのものだと言えます。つまり一般の大学入試問題に比べて易しいのですが、日本文学科などでは、日本文学の授業に対する素養を見ることになる訳ですから、日本の古典や文学史の知識を問う問題まで出題されることがあります。
国語試験で十分得点するためには日頃の読書の質と量が大きく影響しますが、それをこの種の試験のための対策と考えるより、小論文入試問題への準備と位置づけた方がよいでしょう。質・量ともに十分な読書は小論文問題での課題文の読解に役立つし、文章を書く上でも大きく影響するからです。どんな学科で学びたいかを自ら問うために、またはどんな学科に適性があるかを知るために、新書などで面白そうと思うものをいくつか読んでみることは非常に重要だと思いますが、とりあえず読書の代わりとして、一般入試用の現代文問題集などを用意し、そこで取り上げられている文章を読むのもよいでしょう。

数学
大学により問題はかなり異なります。大学の講義についていくための基本的な知識の有無を確認する問題を提出する大学もあれば、国内一般入試と全く同じ問題を出題する大学もあります。数学は滞在国によってカリキュラムが異なりますので、戸惑うことになるでしょうが、まずは現地での勉強を完璧にしておくことです。入学後のことも考えると、国内一般入試レベルの問題がこなせる程度までの学習が必要でしょう。といっても、ただ単に受験生の間でバイブル化されている参考書や問題集をこなしても効率的ではありません。志望する大学側の思惑とずれた内容の学習は、限られた時間である以上避けるべきでしょう。いわゆる一般生と全く同様の出題をする大学から、教科書の基本例題レベルのことを面接で問うような大学まで入試の質・量ともに幅が広いですが、概して大学側は、入学後、その大学で一般生と同様のカリキュラムについてこられるかどうかを入試で確認すると言えます。
では理科系学部のカリキュラムについていける素養は何かと考えると、まずは計算力でしょう。この対策は、自分が受ける大学の入学試験に適すると思われる問題を数多くやるしかありません。次は、集合や必要・十分条件などの論理必然性について、ベン図やグラフを用いて、マクロに物事を組み立て、その解決の糸口を見いだしていける能力でしょう。日常の学習から、自然科学的な概念や定義を意識しながら学ぶ習慣が大事です。もちろん、そうした学習が実を結ぶのも滞在国での学習が充実していればこそです。

理科(物理・化学・生物)
一般的な傾向として、極端に難しい問題は出題されません。数学同様にカリキュラムや言葉の問題が多分にあるので、帰国後にそれらの問題の克服が中心となります。したがって、海外滞在中に学習内容を消化しておく必要があります。滞在国で学習していない科目や滞在国での学習も授業でやったという程度ではたいてい入試準備で挫折します。SATⅡ、GCEなどの勉強した経験が重要になります。

<参考>英語入試問題の形式
多くの帰国生が受験する大学のうち例年英語を課すものについて、その標準的な形式を以下に示します。
なお、一橋大も受験者の多い大学ですが、一般入試と同じ問題となります。一般書店にて確認してください。

<参考>英語入試問題の形式
多くの帰国生が受験する大学のうち例年英語を課すものについて、その標準的な形式を以下に示します。
なお、一橋大も受験者の多い大学ですが、一般入試と同じ問題となります。一般書店にて確認してください。
大 学学部・学科問題形式
早稲田国際教養学部を除く
全学部
TOEFLのsec.3と同様の読解問題4題(小問20)、TOEFLのsec.2と同様の文法問題2題(小問25)、
英語小論文1題
上智文・英文下線部和訳3~4題、和文英訳5題程度
外国語・英語下線部和訳5題程度、英語小論文1題(3~4題から1題選択)
青山学院国際政治経済日本語要約1題、文章を読み150words以上の英語で論述するもの1題、読解問題1題
中央下線部和訳2~3題、下線部英訳2題
読解問題1題(下線部和訳含む)、和文英訳1題、英文完成問題など0~1題
経済下線部和訳3題程度、読解問題1題(下線部和訳を含むことも)または対話文完成、
英文完成問題(単語の並べ替え、空欄補充など)数種、和文英訳2題程度
下線部和訳6行程度、文章を読み英語で論述1題または英語小論文(500words程度)1題
法政読解問題3題(英語による選択問題が中心で、下線部和訳も含む)
立教理学部を除く
全学部
文法問題(小問10)または読解問題1題、読解問題1題(要約文を完成する問題を含む)
国際基督教教養聴解問題、読解問題2題(内容と一致する英語を選択するもの計20)、
文章中の空欄に入る単語を選ぶもの1題(空欄は20)

 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jolnet.com/mtapps/mt-tb.cgi/360

コメント

コメントしてください





保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)