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2006年01月25日
2006年度 海外・帰国生中学入試ガイダンス その3
先週に引き続き今週も、「海外・帰国生中学入試ガイダンス」をお送りします。第3週目の今回は「学校選び」です。
学校選び
環境も言葉も異なる海外生活が長い帰国生にとって、日本に慣れるというハードルを越えなければならないため、特に学校選びには細心の注意を払う必要があります。そのポイントとなることをいくつか挙げておきます。
1.学校情報を集める
(1)学校の資料を手に入れる。
まず、通学可能圏内にある学校を調べるには、各出版社が出している受験雑誌を参考にします。所在地やアクセス方法、設置クラスやコース、教育方針などの概略はこれでつかめますが、この情報だけでは他校との違いが詳細な部分までは完全には分かりません。学校発行の自校学校案内書や校内新聞などを入手すると詳細なカリキュラムや生徒および卒業生からの生の声が聞こえてきます。
(2)学校説明会に参加する。
ほとんどの私立校では、出願者や保護者のための学校説明会や入試説明会を開いています。中心は国内一般生が対象ですが、説明会後に個別相談などがあり、情報を収集するにはよい機会です。学校によっては2回以上開催するところもあります。スケジュールはほとんどの学校がホームページなどで告知していますので、検索して確認してください。一時帰国などを利用して、本人を連れて学校見学をすることはしておくべきことの大切な一つです。時期的に不可能な場合は、国内の親戚や知人などに代理参加をしてもらい、情報を入手することを考えてもよいでしょう。また、公表されている日程以外でも、事前に担当の先生とアポイントをとり、個別に進学相談をしてもらうことも可能な場合がありますので、あきらめずに必ずコンタクトしてみることです。
Q&A
Q: 「説明会に参加すると入試で有利ですか」
A: 説明会に出席する際に、受付で受験生の氏名などを記入する場合があります。そして、入試までの期間に、その学校から最新の入試情報や文化祭の招待状などが送られてきて、学校から受験生にメッセージが届けられることで、本人の受験に対する気持ちが高まるという点ではメリットがあるかもしれません。しかしながら、合否はあくまでも入試での得点や作文・面接の出来具合で決定されますから、有利不利はまったくありません。
2.情報を分析する
学校情報が入手できたら、その情報を家庭の教育方針や子どもの性格などを考慮に入れて吟味していきます。
(1)校風を分析する。
パンフレット内容、電話の応対、来校者への対応、校舎の外観、生徒の雰囲気など、いろいろなところに校風は表れます。(一つの情報源だけではなかなか判断は困難なため、前述の情報の入手の際は、手間暇はかかりますが、各方面から十分に情報収集を行ってください)最も大切なことは、生徒や保護者自身が直に見聞きし、肌で感じ取ることです。
(2)教育方針を分析する。
公立の学校は、文部科学省の指導に従い(各都道府県で若干差がありますが)ほぼ同一の教育が行われています。一方、私立の学校は、各学校独自の教育方針のもと、個性ある教育を行っています。この個性は学校により、かなり異なります。特に、学習以外の奉仕活動や芸術活動などを通して人間教育面の活動に力を入れている学校もあります。今までの学校選びのポイントは、学習指導のウエイトが大半でしたが、学習以外のプラスアルファにも注意を払う必要があります。
(3)教育課程を分析する。
進学校を選ぶ際にはその学校の進学状況を確かめることは学校選びの大事なポイントの一つです。また、教育課程(カリキュラム)をじっくり他の学校と比較することも重要なことといえるでしょう。これは学校の発行する要項や案内書に掲載されています。年間行事、教科時間数、単位表などがあり、学校の指導の重点をくみ取るのに大いに役立つツールです。また、大学附属の学校を選ぶ場合には、系列大学に希望の学部があるかどうかの吟味も重要です。
そうした上で、十分に検討すべきポイントは、下記の項目が考えられます。
・授業時間数の違い(週あたりの時間数など)
・英語授業形態の違い(リスニングやスピーキング学習など)
・履修科目の違い(履修学年や数学・理科の扱いなど)
・授業形態の違い(習熟度別クラス編成や補習・補講など)
(4)教育環境や教育施設を分析する。
教育環境の一つとして、学校の立地条件があります。教育方針や進学実績が充実していても、帰国生には、最寄駅から学校周辺の環境が合わなければ、学校に通うこと自体が苦痛を伴うことがあります。単なる通学時間だけではなく、最寄駅から学校までの通学ルートの環境についても確認しておきたい項目です。
伝統校の古い校舎には風情にも似た味がありますが、近年の新築校舎は、冷暖房は勿論のこと、ハイテク機器やセキュリティ設備が充実しているところがますます増えています。その他、図書館をはじめとした教育施設やスポーツ施設などの面で、目を見張る充実した設備を備えている学校もあります。帰国生にとっては、学習面以外の、芸術やスポーツ活動の継続という点からも、学校選びの要素として抑えておきたい項目となります。ただし、校舎を新築した学校は、入学金や授業料において増額や施設費の徴収など費用もそれなりにアップしてきますので、そういった点の確認も必要でしょう。
3.学力・適性を分析する
前述した項目は、ご父母がイニシアティブをとって客観的に分析が行えますが、子どもの学力・適性の分析は、なかなか客観的に行えないことが多いようです。過大な期待もさることながら、過小評価も子どもたちの学習意欲を損なう原因となることがあるので厄介です。やはり、その子どもの学力・適性を把握している専門家のアドバイスをもとにしながら、親子で対話を重ねていくことが望ましいと言えるでしょう。
難関大学と言われる有名大学の高合格率を掲げ、入試科目を中心とした授業カリキュラムを組んでいるような中・高6ヵ年一貫教育の学校では、帰国子女選考を経て入学した帰国生に対して補講を組み指導している学校もありますが、日本の教科学習に慣れていない帰国生は、その補講ですら苦しむケースも少なくありません。勿論、外国学校出身者のために、選抜方法や入学後の指導を工夫している学校も多くありますが、その一方で、内部進学テストの結果、学力不足を理由に併設高校や大学の進学を断念しなければならないケースもあります。
したがって、外国での経験や習得した外国語などを大切に考えてくれる学校を選ぶのか、進度の速いカリキュラムを組んだ学校を選ぶのかは、今後の進路にも多大な影響を与えますので、子どもの経歴を踏まえた学力や適性の見極めは、非常に重要なポイントとなります。
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