今週から「海外・帰国生高校入試ガイダンス」をお送りします。第1週目の今回は「帰国生入試の資格・条件」「帰国生の受け入れ校」です。
帰国枠入試のイメージは、「一般枠より易しい」「英語だけできれば」「面接・作文が重視され、教科試験は免除されるか、課されない」等々、安易な形で流布されがちですが、実情はほとんどの学校で3科目(英語・数学・国語)の国内一般入試と同じ筆記試験が課されています。受験校を幅広く考えるならば、3科目(英語・数学・国語)の対策が基本と考えておいた方がよいでしょう。
また、青山学院や中央大学杉並の帰国枠などのように「適性試験」や「基礎学力試験」の形態をとりながら総合的な学力を測る試験もあります。最近では入試形態を再考する流れがあり、例えば、大学入試で広く実施されている「AO入試」の影響が高校入試にも出ています。これはボランティア活動などを含め、現地での学習に一生懸命取り組み、成績的にもよい結果を残せるようにしておかなければならないと言うことを意味しています。
早稲田大学本庄高等学院のI選抜入試(帰国生自己推薦入学試験)などはその顕著な例と言えるでしょう。前述したような安易な考えでは帰国枠入試には太刀打ちできません。さらに、インターネットの普及により学校案内をはじめとして、昨年度の入試結果や来年度の入試要綱など各自で調べることが容易な時代になっています。こういった情報をいち早く入手し、受験準備をしっかり整え、志望校合格に向けたスケジュールを組んでください。
帰国生入試の資格・条件
帰国生入試が国内一般入試と大きく異なる点は、帰国生としての出願における資格・条件です。その資格・条件は、海外滞在年数や帰国後の期間制限などが細かく決められています。特に気をつけておかなければならないのは、現地校や国際校から直接受験する場合に、原則としてその国の学校教育9年の課程を修了または3月末までに修了見込みであることが条件になっていることです(一部の私立学校では次年度の6月修了見込みも可としています)。
海外滞在年数は、2年以上が一般的で、帰国後の制限は高校によって異なります。各高校につきましては、入試要項の受験資格を参考にしてください。資格・条件に合わない場合には、帰国枠での受験はできませんが、資格・条件が近い場合には、個別で相談に応じてくれる場合もありますので、各高校に直接お問い合わせください。
帰国生の受け入れ校
■ 帰国生の受け入れを主たる目的として設置された学校
現地校(国際校)出身者と日本人学校出身者とでは異なる入試や入試形式を選べるなど帰国生に配慮した選考が行われています。また、帰国生の特性を十分に考慮し、入学後もその長所を伸ばすために計画的な教育が行われていますので、現地校や国際校に長年在籍した帰国生に適した学校と言えます。
・国際基督教大学(東京都)
・南山国際(愛知県)
・同志社国際(京都府)
・関西学院千里国際(大阪府)
■ 帰国生に対して、特別な受け入れ枠や受け入れ体制を持つ学校
公立中学では、所定の手続きをとれば随時地域の公立中学の年齢相当学年に転入学可能です。基本的には教育委員会が指定する「学区制」が実施されていますが、近年では「学校選択制」を実施している地域が増え、公立でも学校を選ぶことが可能になってきています。
<国立大学附属>
・筑波大学附属(東京都)
・筑波大学附属駒場(東京都)
・東京学芸大学附属(東京都)
・愛知教育大学附属(愛知県)
・名古屋大学教育学部附属(愛知県)
・大阪教育大学附属池田(大阪府)
・広島大学附属(広島県)
このうち、筑波大学附属・筑波大学附属駒場・広島大学附属では、一般入試同様の問題を5教科で実施しますが、残り4校では、科目数が軽減されて、国語・数学・英語の3教科入試になっています。
<公立高校>
帰国生の多い都道府県では、帰国生であることを考慮して選抜方法に配慮し、一部の学校を受け入れ校に指定し、受験科目を軽減した特別選抜を実施しています。埼玉県のように特定の学校を指定せずに県内全ての公立高校で受け入れている例もあります。募集学科、募集人数、出願資格や条件、出願書類や手続き、選抜方法などは、都道府県によって異なります。
<私立学校>
慶應義塾志木・早稲田大学本庄・青山学院・早稲田高等学院・慶應義塾女子・早稲田大学系属早稲田実業・慶應義塾・慶應義塾湘南藤沢等の私立大学附属校や渋谷教育学園幕張・海城等の進学校をはじめとする私立高校。
国語・数学・英語の3教科を課す高校が殆どですが、青山学院や中央大学杉並のように、一般入試とは全く異なった適性検査(基礎学力検査)を課す高校もあります。一般入試と同一問題の場合でも入学審査の際に「特別な配慮」をすることになっています。
■ 帰国生の受け入れに際し、特別な配慮をする私立の学校
国語・数学・英語の3教科入試で、一般入試と同一問題によって入試を実施することが殆どです。上述の学校と同様に入学審査の際に「特別な配慮」をすることになっていますが、入学後は国内一般生と同様の扱いになります。







